きみのそら ぼくのそら

姉との生活の様子を綴ります

はじめてのお留守番

「いい?怪しい人がピンポンしても、無視するんだよ。ご飯はレンジでチンしてね。それじゃ、いってきます。」……部屋に独り、怖い。

大切なイベントがあると言って、お姉ちゃんが行ってしまった。僕は今日、幼稚園がお休みの日だ。いつもおねえちゃんが遊び相手になってくれるけど、今日は一人。ゲームのマルチプレイも出来ない。ひどく退屈で、部屋の中がジメジメ湿気てるように感じたけど、温湿度計の数字は至って普通の数字を示している。

取り敢えず、布団にもぐってお姉ちゃんが帰ってきたら何をするか考えよう。そう考えていた矢先、インターホンが鳴った。「宅配便でーす」宅配業者の人は、お姉ちゃんが言っていた「怪しい人」に含まれるのだろうか…そんな馬鹿馬鹿しいことを真剣に考えてしまうほど、今の僕は動揺していた。ハンコを押す手が震えていて、業者の人は何事かと思っただろう。

誰もいない静かな家が、5歳の僕には恐ろしすぎた。そうだ、お姉ちゃんの出演作を見て気を紛らわそう。いい暇つぶしになるはずだ。が…

「ッ!!ブルブルモキュモキュ」

ホラー映画のCMが流れたのだ。怖い、うちにも"出る"んじゃないか…全身布団にくるまり、枕に顔を填めた。お姉ちゃん…お姉ちゃん…そう思っているうちに、寝てしまっていたようだ。気がついたらお姉ちゃんが帰ってきていて、ご飯の支度も済んでいた。

「どうしたの?〇〇、そんな暑そうな格好で」

「お、お姉ちゃん〜〜〜」